povoは楽天モバイルやドコモのahamoといったプランに対応、または対抗するためにauが準備したプランです。
サービス内容をシンプルに絞った上で、今のスマートフォンに必要そうな内容をお手軽な価格で実現してくれる通信プランです。
利用料金が従来の大手キャリアのプランよりも大幅に安くなり、格安SIMサービスに近づきました。
このため格安SIMサービスとの併用の意味は薄れた感があります。
ですが、2回線持ちのメリットがないわけではありません。
この記事ではpovo2.0とmineoの特徴を再確認しつつ、おいしく併用する考え方の1つをまとめてみます。
やはり狙いたいのは両プランの「いいとこ取り」です。
mineoは「パケット放題Plus」などでデータ使い放題
mineoは他の格安SIMとはひと味違うサービス内容を盛り込むことで、熱心なファンを獲得し続けているMVNOです。
価格面ではデータ量あたりの単価が最安級になるわけではありませんが、プラスアルファの機能と個性で根強い人気を維持し続けています。
https://mineo.jp/
特徴的なのは公式サービスの中にユーザー同士の互助的な内容を積極的に取り込んでいることが1つ。
もう一つは「パケット放題Plus」「マイそく」の、通信速度を比較的低速に抑えるかわりに通信データ量の上限を取っ払ったプラン・オプションを用意していることが挙げられるでしょう。
さまざまな仕組みを上手に使いこなすことで、通信データ量と月々の利用料金を節約しながら、十分な使い勝手を実現できるサービスを提供しています。
ユーザーの工夫でそのあたりの改善が図れるユニークなサービスですね。
詳細:mineoマイそく
povo2.0は自由に追加できるトッピングでフレキシブルな使いこなしが可能
povoはドコモのahamo対応で生まれた新形態のプランですが、リリース当初はahamo対抗としてはもう一つ冴えないサービスだったと記憶しています。
その後、povo2.0と銘打って内容をがらりと変化させた結果、一気に盛り返してきました。
https://povo.jp/
ahamoがほぼサービス内容固定のいわゆる「ワンプラン」に近い中身を持つのに対し、povo2.0ではユーザーがその時々必要なオプションサービスを非常に高い自由度で付け外し可能な「トッピング」として盛り込んでいます。
すべてのトッピングを外した状態なら基本料金がゼロ円になるという、かなり大胆な価格体系を実現したサービス内容ですね。
その時々、自分のネットの使い方を明確に意識してコントロールできるユーザーには非常にありがたいサービス体系になっていると思います。
povo2.0のこの辺りのサービスの性格が複数回線を使い分けて有効に活用する際に上手く効いてくるはずです。
mineoをベースにpovoで欲しいとき・足りない部分を補う運用もアリ
povoは基本料金ゼロ円の状態でも低速モードでも通信が行えます。低速モードで使用したパケットには利用料金がかかりませんから、ゼロ円状態でも最低限のネットアクセスは出来ます、一応。
ただし、povo(au回線)の低速モードは通信速度が128kbpsですので、本当に最低限のテキストデータのやりとりしか出来ないでしょう。
この通信速度をどう感じるかでpovoとmineoの2回線持ちによる使い分けの方法は色々と変わってくることになるはずです。
mineoとpovoの具体的な運用方法
https://povo.jp/spec/topping/list/#call
例えばこんな運用もアリでしょう。
通話が多いユーザー
通話が多いユーザーなら、povo側は最低限のネットアクセスと通話に限定。
ちょっとまともにネットにアクセスが必要な際には、mineo側で通信を行なうパターン。
povoには通話し放題のトッピングだけを付け、mineo側も場合によってはパケット放題Plusのオプションを外して節約が可能かもしれません。
最低限のネットアクセスはmineoの低速モードを使えば、使用するパケットの節約も出来ます。
高速通信が必要がないユーザー
普段ネット動画を見ない、インスタなども使わない、文字メインのニュースサイトやLINEでテキストメッセージのやりとりが出来れば十分、といったような使い方をするユーザーであれば、mineoの低速モードの200kbpsの通信速度+バースト転送でのやりくりも可能になります。
通話が少なくネット利用メインのユーザー
通話が少なくネット利用メインのユーザーでそこまで高速通信が必要ではない使い方ならこんなパターンも考えられるのではないでしょうか。
普段のネット利用はmineoの「マイそく」の1.5Mbpsか3Mbps通信で。高速で大量データのやりとりが必要なタイミングが出たら、povoの1日データ使い放題トッピングを付けるパターン。
https://mineo.jp/price/
povoで補っていこう
ほとんどの携帯電話回線接続サービスでは一部を除きオプションはあまり変更せずに使い続けることを前提とした作りです。それに対しpovoはユーザーのその時々のニーズに合わせてトッピングをどんどん変えていくことも考慮に入れたサービス体系です。
mineoとpovoを併用するのならば、mineo側の機能を「ベース」と考えてそこで足りない何かが発生したときにpovo側のトッピングで調整する、といった考え方がやりやすいのではないかと思います。
povo2.0はそのあたりのフレキシビリティに極めて優れたサービスになっていますので、上手に節約しつつ快適なネット生活を送るためにユーザーが頭を使う余地がたくさん用意されています。
ちなみに、mineoとpovoの併用を行なうなら、mineo側の回線はドコモかソフトバンクをチョイスした方がいいでしょうね。何らかの回線トラブルで完全にネットから切り離されてしまうリスクを回避できます。
また災害時の大切な情報のライフラインを冗長化することも出来ます。
詳細:mineoのau回線・ドコモ回線・ソフトバンク回線の違い
mineoとpovoを併用するメリット!
インターネット使い放題でコスパ最強すぎる!
インターネット使い放題なのにコスパ最強。
- povoは基本料金0円
- mineoは990円でインターネット使い放題
mineoとpovoの組み合わせだと月額990円でインターネット使い放題で電話番号を2つ持てます。
また、違う組み合わせで、mineoのデータプラン+パケット放題プラスにすることで高速通信と1.5Mbpsのインターネット使い放題も可能です。
mineoでデータプランにすることで少し安くでき、電話番号がpovoの電話番号のみとなります。
使い方次第では、光回線なしのモバイル通信だけでも問題なくインターネット生活ができます。
ただし、光回線のような高速通信を常にやりたい方には注意です。使い放題が1.5Mbps(3Mbps)までだからです。
他にも注意点としては、povoは、半年以内に最安のトッピングを購入する必要があります。
品質の高い高速通信も可能
月額990円維持だと、通信速度がMAX1.5Mbps(3Mbpsにもできるけど高くなる)になります。
旅行中などで高速通信が必要な場合に、mineoの1.5Mbpsだけだと物足りなく感じることがあります。
そんな時は、povoの高速通信をトッピング(課金)しましょう。
課金することで180日をクリアすることができ、
たったの330円で最大47時間59分59秒間高速通信が可能になります。
また、24時間使い放題のトッピングになりますが翌日23時59分頃まで使うことができます。
なので最大47時間59分59秒使い放題になります。
違う回線があることで災害や通信障害時のリスク対策
2022年7月2日から約3日間、KDDIで大規模な通信障害がありましたよね。
auだけじゃなく、サブブランドのUQモバイル、povoにも影響がでました。
また、au回線をレンタルしている格安SIMも使えなくなりました。
今後、同じような通信障害があった場合には、2回線別々の回線を契約していると安心です。
例えば、au回線を使っているpovoに、 docomo回線を使っているmineoのDプランにすると言うことです。
大手キャリアのauとドコモが両方使えないなんてことは、ほとんどないと思うのでリスク管理として良いですよね。
mineoとpovoを併用するデメリット!
povoゼロ円維持するには課金が必要
povo2.0はトッピングを何も付けない状態ならば月々の通信料金をゼロ円に抑えることができます。ですがこれ、無条件にいつまでも続けられるものではなく、少しだけ制約が付けられています。
6ヶ月間、何も有償のオプションを付けない状態で利用していると、回線の契約が停止される可能性があるのです。確実に回線を維持し続けるには、どこかで有料トッピングを付けなくてはいけません。
ただまあ、povoの無料状態で利用出来るサービスは本当に最低限のものになっていますので、普通の使い勝手を求める場合には必然的に何らかの有償オプションは付けて利用することになるでしょう。
ゼロ円維持に特別にこだわる方以外は、そこまで気にしなくても自動的に回線維持の条件は満たせると思います。
デュアルSIM対応のスマホを準備する必要あり
2つの回線を1つの端末で扱う場合には、デュアルSIM対応のスマートフォンを準備する必要があります。
デュアルSIM対応スマートフォンなので、2つのSIMを認識し、同時に待ち受けにすることができます。
2つの電話番号も扱うことができます。もちろん、eSIMも扱えたりします。
一つは、eSIMにして、もう一つは物理カードのSIMカードにもできます。
マイそく/パケット放題Plusには10GB以上使うと速度制限になる可能性がある
mineoでは直近3日間で10GB以上インターネット通信を行うと、速度制限にかかってしまう可能性があります。
マイそくやパケット放題Plusでも直近3日間で10GB以上を使うと速度制限になる可能性があるので注意して下さい。
例えば、9月10日に10GB以上を使ったら、翌日(9月11日)の午前中くらいに速度制限になり翌日中(9月11日)に速度制限が解除されます。
ルール明確に記載されていないので、直近3日間で10GB以上使う場合には注意して下さい。
0円運用が厳しくなる可能性がある・楽天みたいに
以前まで楽天モバイルでは1GBまで月額料金0円・通話料金0円で大人気のプランがありました。
このプランのおかげで500万回線突破することができました。しかし、廃止にした途端、50万回線近く解約されました。
楽天モバイルの乗り換え先として注目されたpovoですが、楽天モバイルと同じようにある程度、回線数を伸ばしたら一気に値上げしてくる可能性があります。
そうなると、0円運用が厳しくなります。
通話料が発生
mineo×povoの最安値運用だと通話料金が発生してしまいます。
mineoの回線で通話する場合
30秒毎22円
povoの回線で通話する場合
30秒毎22円
3分通話すると132円の通話料が発生します。
ただ、LINE通話などの通話がメインになってはいるので、そこまで注意するほどではないと思います。
音声通話の頻度が高い方は、mineoかpovoのかけ放題オプションを追加しましょう。
mineo
10分かけ放題 550円
povo
5分かけ放題 550円
コスパがいいのはmineoになります。
mineoとpovoの併用でおすすめのプランをじっくり解説
マイピタ1GB+パケット放題プラス+povo
mineoでは、電話番号が付いていないシングルタイプの500MB・1GB・3GBの3つのプランでは、パケット放題Plusのオプションが追加できません。
なので、デュアルタイプ(音声通話付き)の1GB・1298円にパケット放題Plusのオプションを追加します。
そうすると、1298円+385円=1683円がmineoの料金になります。
povoが0円維持なので、1683円で1GBの高速通信が使えます。
電話番号も2つ持てますね。
マイピタ10GB(パケット放題がついてくるプラン)+povo
mineoでは10GB以上のプランを選択するとパケット放題がついてきます。
マイピタ10GBは1958円なので、これにpovoの料金0円になります。
高速通信の10GBは必要な時に使い、高速通信が必要ない時には、パケット放題Plusを使うといいでしょう。
マイピタ(シングルタイプ10GB)+パケット放題+povo
音声通話がついているデュアルタイプに比べシングルタイプなら数百円節約することができます。
10GBプランであれば250円程度です。
電話番号が2つも必要ない方にはおすすめです。
マイそく+povo
通信速度1.5Mbpsで使い放題のプランのマイそくであれば990円で使うことができます。
しかも、990円でインターネット使い放題なのに電話番号も使えます。
povoで0円運用すると月額990円になります。
もし、高速通信が必要になった場合は、povoでトッピングするのもありですね。
また、mineoの方で高速通信が欲しくなった方は、契約後にプラン変更するのもありです。
mineoとpovoを併用する手順
mineoとpovoを併用するまでのざっくりとした手順
デュアルSIM対応のスマホを準備
mineoとpovoが使えるデュアルSIM対応のスマートフォンを準備します。
povoはau回線になります。ですので、mineoでは、docomo回線かソフトバンク回線にするといいでしょう。
もし、スマートフォンのSIMロック解除をしていない場合には、SIMロック解除しておきましょう。
SIMロック解除することで、どこの回線でも使えるようになります。
MNP予約番号の取得
電話番号を引き継いで他社に乗り換える方は、MNP予約番号が必要になります。
新規で電話番号を取得する方は不要です。
MNP予約番号の取得方法は、解約する回線に問い合わせをします。
「◯◯◯ MNP予約番号取得方法」と検索するといいでしょう。
docomoであれば「docomo MNP予約番号取得方法」になります。
電話番号の引き継ぎ先を決める
電話番号の引き継ぎ先を決めます。
SIM併用で電話番号が2つある方は、mineoかpovoから選び必要がありますね。
個人的にメインで使う電話番号はmineoで良いのかなと思います。
なぜならpovoで180日間にトッピングが必要で、トッピングしないと解約される可能性があるからです。
メインの電話番号が解約されると辛いですよね。
MNP予約番号を使って申し込み
申し込みを進めて行くとMNP予約番号と電話番号を入力する箇所があります。
忘れずに入力して申し込みましょう。
もう一つのSIMを契約する
mineo、povoの申し込みが終わってない方を終わらせます。
SIMカードの挿入
物理SIMカードがある場合には、スマートフォンをSIMカードを挿入します。
SIMカードの挿入場所がわからない場合には、説明書を見るか、端末名+SIMカード挿入場所などと調べるとわかりやすく解説されています。
回線切り替え
電話番号を引き継いだ方は、回線切り替えを行う必要があります。
デュアルSIMの設定
プロファイルのインストールや、主回線・副回線の設定をします。
その後、問題なくインターネット通信ができるのか確認したら終了です。
mineoとpovo併用で気になる点!
povoはeSIMと物理SIMどっちがいい?
iPhone13以降だと2つのeSIMに対応していますが、iPhone13以前の端末だと1つのeSIMにしか対応していパターンがあります。
なので、mineoとpovoの併用で使う端末によって対応することが必要です。
ちなみにiPhone13はsimスロットは1つだけのなっています。物理SIMは1枚のみとなるので1枚使ってしまうと、もう一つのSIMはeSIMにする必要があります。
かけ放題はどっちが安い?
かけ放題はmineoが安くてコスパいい。
使い放題のオプションはどっちが安い?
24時間使い放題オプションはpovoが安いです。47時間59分59秒まで使えて330円。mineoは購入後24時間で198円です。
24時間だけで見ればmineoですが、通信速度の安定などを考えればサブブランドのpovoが有利になります。
mineoとpovoの併用について解説! まとめ
mineoとpovo2.0の併用でも使いこなしの方法はすごくたくさんあるはずです。この記事でピックアップしたパターンはそのごくごく一部でしかありません。恐らくはユーザーのネットとの付き合い方のパターン分だけ使いこなしパターンも考えられるでしょう。
https://povo.jp/spec/topping/list/#data
mineoもpovoも便利なオプションやプランが色々と準備されていますから、使いこなしを考えること自体を楽しんで上手な付き合い方を見つけてください。